その5・・・困った展開

[その5・・・困った展開]

 家族会議の中で母親に言われた事も多分同じ事なのだと思います。

親父が商売を始めてから会社がそれなりに軌道に乗ってきた過程を肌で感じているので、それを僕に分からせたかったのでしょう(父は49歳でくも膜下出血で1級身体障害者になって、しばらくして会社も潰れました)。

母の言う事はその時には僕は全く理解できず、

「まああなたはそうかも知れないけど、俺は違うよ」と思っていました。

しかし、Hさん、不動産屋の社長の話を照らし合わせて考えると、母の言いたい事が理解できる気がしました。

でも僕の計画は簡単に変える積りはなかったのです。いろんな意見があって、みなそうかも知れない。でも僕のケースはそれと同じではないし、やって見なければ分からない。その気持ちは確信にはならず、わだかまりの中で、ぐるぐると回っていました。

「でも俺は違う」と何度も空回りの様に自分に言い聞かせていました。

そんな所に来て、ある日母親が思いつめた表情で、「やはりお金は出せない」と言いました。僕の資産を買ってくれる話の事でした。

「やはり どうしてもお金は出せない。老後に現金をとっておきたい」

そんなある日母親は言いました。一度僕の資産(家の所有権)を買ってもいいと言った話のことです。何せ父が僕が17歳の時から1級身体障害者で収入はほぼなく、頼りなのは 土地とか建物の資産のみです。親子でその所有権について話すのは、あまり楽しくはないです。父は家長として、手足も動かせないし、言葉も話すことが出来ないながら、最終決定権をもっていました。

「今日、病院の帰り電車の中でつくづく思ったのよ。あんたの資産を買ってあげて、郵便定期をあげたらほとんど何も残らないのよ。それじゃ幾らなんでも後が心配だって・・・」

「何でよ、今更!もう物件も探して会社の登記の手続きもしてるんだよ!!」

僕は焦りました。ホームページ上でも「ビッグなお知らせ。5月に横浜駅から1分に英会話コミュニティサロンをオープンします!」と大々的に発表してしまったのです。何通もの「おめでとう」と言うメールを頂きました。(当時僕は自分のホームページを作ってから2年くらい経っていて、そこそこのアクセスがあり、合宿のサイトとして参加者も見てくれていました)。

父親は、お母さんの方を一度見て、首を左右に振りました。(もっと普通にサラリーマンやれと言う事でしょうか。)

僕らの前で見せる、言葉も話せない、手足も動かせない父親の意思表示は絶対でした。意思を伝えてくれただけで、家族は嬉しかったのです。

そんな事がありながらも、こんなに自分が頑張ってやっているのに応援してくれないのか。その時は全く納得できませんでしたが、幾つかの相談の意見があり、特にもう嫁に行った妹との電話で、

「おんちゃん、あんなお金持ってないじじばばからお金取るなんてあんまりよ。普通の親と違うんだから」

と言われた事には反論できませんでした。

僕の家庭は僕が17の時に親父がくも膜下出血で、1級身体障害者になり、以来家計は僕と妹と親父の年金で賄われていました。当時は家のローンなども抱えていて、両親は当然老後の貯金なんかできる訳もありません。

そこへ来て、頼みの綱だった国民生活金融公庫から「融資不可」の通知が来ました。ちょっとした挫折感が僕を襲い、2日間飲んだくれました。

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