その2・・・構想

[その2・・・構想]

そして身近な繁華街というか、適当な場所は間違いなく横浜駅です。

まず物件を探そうと思いました。

あ、ちなみに、その時僕一人で始めようとしていた訳ではありません。初めは期待のみしてましたが、後で話すとE-townで働いていたAさんが協力してくれると言う事になったのです。AさんとはE-townと共同でイベントをやっているうちに仲よくなったのです。彼ははアメリカの大学を出ていて英語も出来るので、適任でした。

色々話をしているとかなり考えで一致している事もあって、Aさんが遠いけれど横浜でも来てくれると言うのでまずは具体的な物件を探しました。

もちろん、あまり採算の合わない通常の英会話喫茶とは若干違う形での営業を考えていました。英会話イベントをやっていたので、外国人の知り合いは沢山いました。英会話合宿や1日コースで講師をやってくれたアメリカ人のMや僕の知り合いの下北でHip-hopウエアの店をやっているガーナ人のSも店ができたら是非手伝いに行きたいと言ってくれて、人がそろって、あとは良い物件が見つかればと言う感じでした。

英会話喫茶

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横浜駅近くで良い物件はないかな・・・。

それがあったのです。あっさりと。これだ!っての。(もちろん幾つかの物件は見ましたが、駅からの遠さと建物の汚さでパスでした)。

その物件は、横浜駅から歩いて90秒(超駅近でも東口)、16坪でなんと家賃15万。しかも24時間使えるのです。

周囲は人通りが無く静か。

・・・この周囲が人通りが無く静かってとこが安い原因でしょう。

でも夜中にガンガン音出して、ライブパーティーとかやりたい僕には好都合。もちろん近所に民家なんてありません。事務所は8時くらいで無人になる。目の前は首都高速。つまり、もともとうるさい場所なのです。

こんな風にたった1個所、横浜駅近辺でほとんど人通りがない地域があったのです。他ではどう探してもこんな寂しい場所は横浜駅近辺にはないでしょう。まともに考えたら、これを良いと言えるかどうか分かりませんが、その時に僕は絶好の良い物件だと思いました。とにかく西口の同じ距離の物件の半分くらいの家賃です。

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  そもそも英会話コミュニティサロン(当時の僕の構想は英会話喫茶ではなく、そう言うものだった)とは、そもそも通り掛かりの人がふらっと入るような場所ではありません。まず99%が宣伝か何かの情報を元にわざわざ尋ねて来る場所です。

だから人通りはあまり関係無いのです。ブティックや飲食店ではないのです。

ビルを見上げながら考えました。

その物件は道に面した2階なので、窓に宣伝の看板を出せたりして、中の様子も何となく見える、より安心して来て頂けるのではないかと思しき物なのでした。ビルは少々古いものの、部屋の内装は始めから大々的に改装する積りなので、あまり関係ない気がしました。ビルの外から明るい2階の窓越しに楽しそうな様子が見えるのです。その様子を僕は想像しました。

「やったぁ!これは行けるぜ!!!」

店が成功するイメージが湧き、それを確信しました。

僕はそう思うと、すぐに帰って事業計画をまとめ始めました。その頃また創業起業セミナーに通っていまして、今考えると全てが同時進行だった様です。

ちなみに読んでいる方の為になるかどうか分かりませんが、当時の秋葉原の駅昭和口方面近辺の相場は2003年当時は坪12000円から14000円、横浜駅西口の近辺では坪20000円(東口でもそごうとかスカイビルだと)、歩いて5分圏内(実際には7,8分かかる)だと坪10000円くらいです。

普通の駅ビルのブティックみたいなお店を想像してもらうと、坪20000円で多分12,3坪はあると思います。そうすると横浜駅西口近辺だと家賃は25〜30万はしてる訳ですね。家賃だけで1日1万くらい。更に人件費2万、、光熱費1万、広告費1万、仕入れ3万など考えると、最低1日の売上は8万円は無きゃ話にならないのですよ。駅ビルとかで横っちょに並んでいる一見暇そうなお店が毎日8万円以上も物を売るってすごいなと思います。

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そんな事を考えつつも、僕の取らぬ狸の皮算用計画では毎月会社は20万円の黒字。上手く行けば1年か1年半後に支店第1号を出店。3年後にはなんと約10店舗が首都圏に広がり、関西にもその手を伸ばすと言うまたしても壮大な計画だけが一人歩きしていました。

英会話合宿より

行く末は茅ヶ崎か鎌倉あたり(横浜に通うのにはその辺が適当)の海辺に3階建ての豪邸を構え、2階の屋上には満天の星空を望む露天風呂。海辺が近いのでビーチに遊びにも行けるし、昼間は露天風呂はプールと化して遊びましょう、みたいな家を作って「週末英会話合宿」をそこでやるのだ!とまあ、どんどん夢は膨らみました。

事業計画はかなり細部に渡り綿密に計画されたものを作りました。

何度も何度も見なおし、パワーポイントでもプレゼン出来る様にし(ほとんど会社の仕事の通りです)、Aさんとも何度も打ち合わせミーティング(てか飲み)をして、今までの僕の些細な合宿での経験も重ね合わせて、

「一体何が受け入れられるのだろうか」

を考えました。 僕のポリシーは一点です。

「今現在英会話に対する需要は高まる一方だが、それを受け入れる教育体制は全く出来ていないし、英会話学校は入学金だの、1年契約だのと高いお金を払わなければならなくて、敷居が高い。もっと気軽に安く英会話の学習機会を提供したい」

と言うことなのです。

僕の経験上、どれだけ話したかが会話に関しては重要だと思います。文法だの単語だのの前にどれだけ実践しましたか?と言った方が話は早い気がします。当然文法とか単語とかはまあ、基本として必要ですが、それはほとんどの人が十分教育を受けているのが日本人ですし、後から着いてきます。

僕は言いきる。日本人に足りないのは実践だ!喋れるようになりたければ、じゃんじゃん喋ればいいのです。それが一番近道。だって、日本語が喋れるようになりたい外国人がいたとして、その人はちゃんと日本語の文法とかを勉強していたら、あと僕らは「どんどん話そうよ、そうすれば話せるようになるよ」としか言えないですよね。

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まあ、何を実現したいかはともかくとして、事業をやるぞと決意した所で大問題は資金です。資金調達をどうするかはどうやら新規事業をやる皆さんが頭を悩ませる問題のようでした。1年半好き勝手にやって来た僕に資金(貯金)などあるはずもありません。

そこで融資制度を徹底的に調べました。持ってないものは借りるしかありません。しかしまあ、消費者金融やいわゆるサラ金みたいな所から借りても地獄が待っている事は想像に遠からずで、そうではないお金の借り方を(僕が調べた中で)以下に記します(2003年のデータ)。

一番メジャーでお得な金融機関は「国民生活金融公庫」(現在の政策金融公庫)いわゆる国がやってる公庫です。一般的な対会社の金融は創業1年以上を対象として、その業績に対して資金を融資します。しかし、中には新規事業に関して応援する為の資金があって、公庫では新創業融資制度としてなんと550万円(当時)ものお金が無担保無保証人で借りる事が可能なのです。

僕のはじき出した必要創業資金は500万円です。(ちなみに通常飲食業などだと1500万円とか掛かるけれども、英会話喫茶は厨房とかの設備が一切いらない部屋のみあれば良いので安い)。

更に飲食業の届けも、コーヒーなどはサービスなのでいらないのです。喫茶店だと届けが必要で、食品衛生管理者とかの届けも必要なのですが、英会話コミュニティサロンではすべて販売ではなく(時間に於いてのみ課金)無料サービスなので漫画喫茶と同じです。面倒な事はない、かなりお手軽な起業です。

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一応ここで、僕の起業内容と従来の英会話喫茶の違いを記しておきます。

Aさん曰く、「英会話喫茶では初級者がせっかく来ても、会話のチャンスが少ない」なのです。何故かと言えば、当然ですが、どうしても話せる人ばかりが話してしまうと言う事なのです。初級の人がせっかく初めて来たのに、ほとんど話ができないまま帰る事になり、二度と来ない。

確かに英語を聞くだけだったら、CDを買ったりネットで自分でできます。しかし話す事の実践は一人では出来ないですから、特に外国人と話したいわけです。だから来た。でも話せない。 これでは初級の方々は居付けません。かと言って初級の人ばかりが集ってもFreeトークは弾まなかったりします。やはりレッスンが必要です。

そこで僕の構想ではレッスンルームを1つだけ作ります。そしてそこでは、毎日初級の方のためだけのレッスンが行われます。あとAさんの初級のテーブルだけでやるちょっとしたゲームなどのアイデアも含め、基本的には初級の方達の為にサービスを用意するのです。もちろん中、上級の方はラウンジでフリートークやパーティーなどで楽しめます。あと今までやって来た英会話合宿や1日コースではレベル別にレッスンをやるので、どのレベルでも問題ありません。ただ、ラウンジでは特に初級の方々に対してのサポートをして行くサービスを作って行こうとか。

またまた妄想の様に考えは膨らんで行きました。

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金の無い僕は、自己資金50万で始めようと思いました(当時はそれすら準備できるかどうかって感じでした)。あと450万は借りようと。しかし、公庫の基準は自己資金が開業資金の50%を持って始めて認められるようでした。50%って言うと250万円です。それが無いと融資も受けられない様なのです。サラリーマンの頃だったら、その位の貯蓄はあったと思いますが、音楽やったり英会話合宿やったり、合計で3年くらい半分遊んで暮らす内使い果たし、その後にまとまったお金が出来たら、ドンと家のローンの返済に充ててしまったのですから、・・・そんな金無いです。

良く考えてみたら、今までの人生の中で最も貧乏な時期だった気がします。そこで起業って、ちょっとヤケクソ見たいに思えますが、その時は全く気持ちに迷いはありませんでした。

 

まずは家族と相談です。まずはそれからです。 家族会議は3時間にも及びました。もちろん両親は眉を潜めて聞きました。まあ、ダメ元です。

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