その1・・・きっかけ

[その1・・・きっかけ]

きっかけは1通のメールでした。

「お詫び」

と題したそのメールは、E-townの社長からのものでした。ここは、たった今まで僕のビジネスパートナーだと思っていたお店だったのです。僕には何の相談もなく、閉店するとメールで伝えてきたものだったのです。

僕は当時そこそこ名を知られていた英会話喫茶である、E-townさんに英会話の1日コースの場所を提供してもらっていて、2回ともそれなりに上手く行っていたし、パーティーなんかも共同主催でやらせてもらっていました。将来的に協力関係を築けたらいいなあと思いつつ期待を持ってお付き合いをしていた矢先でした。

English Party at Shibuya

どうやら経営は楽ではないと聞いていたけれども、英会話喫茶(当時はそう呼ばれていた)の業態は上手くやればその内来るのでは、と思ったりしていました。しかし、まさか突然閉店とはビックリでした。

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- 事の成り行きを知らない方々の為にちょっとだけ説明をします。E-townと言うのは「英会話喫茶」で、英会話喫茶とは、外人と気軽にコーヒー飲みながら時間制で話が出来る喫茶店です。とっても安く、1時間1000円とかなのです。その存在を知っていろいろ調べて、そこへ僕が英会話合宿の宣伝をしてくれとビラを持ち込んだのがそもそもの始まりで、協力的に場所を提供して頂いたりしていました。当時僕は自分の英語の勉強も兼ねて、英会話合宿-温泉宿に泊まって昼は英会話の勉強、夜は英会話の宴会-を企画していたのです。そのお客さんを集めるのに奔走していたのでした。-

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その頃僕もこれからの生き方をいい加減決めねばならない時期でした。声帯萎縮と言う変な病気に掛かって以来、なんと僕は1年半もまともな仕事をしていない状態が続いていたのです。声帯萎縮とは通常は90歳のおじいちゃんとかがなる病気で、声帯が縮んでしまって声が出なくなるのです。声が出ない原因を突き止めるだけでも5つ病院を周りました。

その病気は手術(お腹の脂肪を取って声帯に移植をする、かなり珍しい手術)をして半年ほどで治ったのですが、仕事に戻れるはずもなく、外資系の会社に入るために不十分である英会話の勉強を考え、英会話合宿なる企画を立ち上げたのです。入院中声が出せなかったので、色々考えているうちに出てきたアイデアでした。その頃は「English G Circle」とか適当な名前を付けて、サークルみたいなものでした。

当時の僕は英語はまあまあ出来た積もりでしたが、外資の企業の英語面接で2社落とされた経験があったのです。あと年齢も36歳でマネージャー経験無しだったので、日本の会社は入りにくく(上司が年下だったり)、外資系の会社を狙っていました。

英会話合宿

留学するお金も時間も無かったので、仕事に外国人を絡めれば一石二鳥(お金を稼いで英語も身につく)だと思い、英会話合宿と飲み会、一日勉強会とパーティー、さらに当時バンドなどもやっていたので趣味も兼ねてライブパーティーなどを企画宣伝しました。それが今思うと、意外にも多くの方々に参加してもらっていました。

また同時に某学校でマネジメントの勉強しながら、何とかギリギリ食いつないでいたのですが、そこも卒業が目の前に見えていました。自分の進路をこの年になって(当時確か37歳だったでしょうか)決めねばなりません。

そこに入る時、僕は初めから起業志望でした。しかし、本来の意味での計画や準備が無いまま時期が来てしまったのです。

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そこヘ来て「お詫び」のメールでした。

英語自体を扱う仕事をするなどとは、夢にも思って居なかったのですが、僕はその時、突如目覚めました。

「よし!E-townを引き継ごう。そうすれば初期投資が少なくて済む」

との短絡的な考えから、E-townの社長に電話して、話をする機会を貰いました。その時は単純にE-townにあるテーブルとかレジとか、椅子とか全部処分するなら、僕がそのまま引き継げばもったいなくない、とか考えていました。

ところが実際問題、オーナーが変わるとオフィスの敷金礼金みたいなのは全部精算し直しになるらしいので、引き続き同業種でやるからと言って、計算して見るとそれ程得にもならないみたいでした。

さらにE-townの社長と話をして見ると、赤裸々な最近の赤字の話と(良い時代もあったらしい)、家賃がビックリするくらい高く(調べた結果、当時秋葉原近辺の相場は坪14000円で、E-townは22坪あった+共役費)、33万円。そこで小さく挫折しました。

それでも負けじと「それは僕が大家さんと話を付ける」とは言ったものの、家賃が半分になるわけも無く、更に事務所の契約だと当時は保証金が10ヶ月とか取られる訳です。つまり、まあ初めに300万とか。あえなく短時間で玉砕しました。

ちなみに何故閉店を決めたかと言えば、奥さんに子どもが出来たからだとの事でした。ちゃんとした固定給のある仕事を選んだのです。

僕は一度離婚していて、現在は守るべきものが無いので、こんなに身軽に物事を考えられるのだと改めて知りました。

しかし、その事で火が付いてしまった僕の「よしやるぞ!」の熱は冷めるはずもなく、別の場所でやったらどうかと、そろばんを弾きつついろいろ調べました。家賃が幾らで、場所がどのような所で、どんな人達が来てくれて、どうやってやるかについていろいろと考えました。

つまり英会話喫茶での創業を思い立ったのです。

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